しつけ

犬と人との関係性

タグファーツ 長尾先生のコラム

犬と人との関係性

 

愛犬は家族の一員、そう思われている方も少なくないでしょう。犬は「コンパニオンアニマル」とも呼ばれ、人との関係はより密接なものへとなってきました。人とともに室内で生活をし、飼い主に癒しを与えてくれる大切な存在となったというわけです。

元をたどると「犬の先祖はオオカミであった。」というのが最も有力な説となっています。(諸説あり)オオカミは自ら狩りをし、群れを成して生活する野生の動物です。決して人のそばに寄り添うことはありません。元々は相いれることのなかった双方がお互いを必要な存在であると認め合い、今や家族の一員となっているわけです。そこにはただそばにいることだけではない、特別な関係性があるのではないでしょうか。犬と人との特別で様々な関係性、その一部を紹介しましょう。

信頼関係について

愛犬との生活において最も大切な関係性として挙げられるのが信頼関係でしょう。信頼関係を築く、それはお互いがお互いを理解し、強い絆で結ばれることを目指していくことです。はたしてどれだけの飼い主さんが愛犬との信頼関係を確立できているでしょうか。

私の経験から、ほとんどの飼い主さんは悲しいことに本当の意味での信頼関係を築けていないと感じております。飼い主として良かれと思ってしていることが押し付けの愛情になっていませんか?信頼とはお互いの理解が不可欠なのです。それ無くしてしつけやトレーニングは成り立たないものとご理解ください。

犬は心ある動物です。人と意思の疎通が可能な動物です。心を通じ合わせることを軽んじてはとても愛犬とともに暮らしていくことはできません。

 

愛犬との約束

飼い主さんとしてはこれからもっと信頼関係をしっかりと確立していただきたいところですが、そのためにはどうすべきなのでしょうか。信頼とは、書いて字のごとくお互いを信じ頼りにするということですね。しかし、「サンハイで心を通じ合わせましょう!」なんてそう簡単にはいかないものです。

そこでポイントを1つ言えるとしたら約束を守るということではないでしょうか。愛犬の犬生を最後まで責任をもって豊かなものにしていこうという基本的な約束から、お利口なことができたら必ずほめてあげようなど細かい約束までたくさん思い付くと思います。

愛犬を迎える際にはご家族で話し合い、しっかり約束ごとを決め、確認し合うことが大切です。そして、それを守っていくように心がけましょう。飼い主さんが約束を守ることで愛犬が「この人は裏切らない」と感じ、信頼関係がより強固なものへと変化していくでしょう。逆に約束を破り続けると信頼などしてくれるはずもありません。日々の接し方から意識し、愛犬からの信頼を勝ち取りましょう。

 

主従関係について

犬の社会は縦社会であると言われています。「群れ」というものの中には必ず序列があり、そのトップである「アルファ(リーダー)」という全体の統率を受け持つ存在がいます。犬は本能的に立場の弱いものが強いものに服従するという形をとることにより群れを形成していくのです。その関係性を「主従関係」と呼びます。これは群れで生きている犬たちにとってとても重要な関係性で、特にアルファは絶対的な存在なのです。群れの安定はそのアルファの力量によって左右されます。アルファになる犬はその資質が問われるということです。

さて、ここで重要なのが人と犬との間に「主従関係」は作用しているのか。つまり、愛犬は一緒に暮らす家族のことを群れと認識して、人をアルファとして認めるのか否かということです。この問題については今もなお結論に至っていないのが現状と言えるでしょう。さまざまな見解がある中で特に目を引くのは「アルファシンドローム」という言葉です。「アルファシンドローム」とは、飼い主と愛犬との間に主従関係が作用し、主と従が逆転している状態のことを言います。愛犬が飼い主の上に立ち、傍若無人にわがままの限りを尽くす。それに従い続けることによって問題行動が悪化していく悪循環が生まれる、という考え方です。なるほど、では飼い主がアルファとして「上に立つ存在だぞ」という意識で愛犬に接すればお利口な良い子に育つというわけですね。

しかし、この考え方には反対の意見もあるのです。犬が人という種族の違う動物を群れの一員として認識するには無理があるのではないか、という意見です。そもそも人と犬との関係性は利害関係にあって、お互いがそれを理解し合うことで問題行動の抑止につなげていけるのでは、といった考え方です。どちらにもなるほどと思わされるところがありますね。今後も犬の行動学の研究というものにますます期待したいところです。

 

私自身ドッグトレーナーの経験から1つ言っておきたいことがあります。愛犬は常に頼りがいのある存在を求めています。心のよりどころが必要なのです。飼い主が頼りなく、心のよりどころを見いだせない愛犬たちは精神的に落ち着くことができず、自分たちでがんばってしまう。それがまたストレスとなり、問題行動を悪化させ、悪循環となるのです。

飼い主のみなさま、ぜひ愛犬たちが「そばにいてくれると安心だな」と思えるような存在になっていただきたいと思います。そのためには私自身の意見として、主従関係を意識した接し方も必要であると考えております。「飼い主さんに任せておけば大丈夫」、「もっと言うことを聞きたい」、そんなふうに思わせることができれば問題行動もストレスも少ないドッグライフを送れることでしょう。

 

最後に、「信頼」無くしては「主従」もない、まずは信頼関係づくりを優先、ということを忘れないように言っておきたいと思います。私どもドッグトレーナーもお力になれることもあろうかと思います。ぜひみなさま、より豊かなドッグライフを目指して日々トレーニングに励んでいきましょう!

しつけに関するお問い合わせ

「しつけの予約をしたいのですが・・・」
「ちょっと質問したいことがあって・・・」

そんな時には、お気軽にお問い合わせください!

ノエルペットクリニック電話番号
086-250-2252

ノエルペットクリニックFAX番号
086-250-2269

しつけ相談の詳細はこちら

 

メールフォームからのお問い合わせはこちら ↓

メールフォームから連絡する