しつけ

なぜいけないの?引っ張り癖

タグファーツ 長尾先生のコラム

なぜいけないの?引っ張り癖

 

散歩をしていると見かける光景があります。飼い主の前を自由気ままに引っ張り歩いている愛犬、それに慌ててついて行く飼い主、そんな光景です。これは「引っ張り癖」「むちゃ引き」と言われる状態なのです。「お散歩なのだから楽しく行かせてあげたい」そんな思いからなのでしょう。多少引きずられながらも一生懸命ついて行きます。

 

 

確かにお散歩では様々な体験を通じて楽しみを知ることや社会性を養うことがとても大切なことですね。「多少の引っ張りぐらい自由にさせればいいのでは?」と思われることでしょう。しかし、この「むちゃ引き」を自由にやらせていると大きな危険性があるということを知っておかなければなりません。

つまり、愛犬の進む方へと飼い主がついて行っている状態、これは犬に従っている状態とも言えるわけです。すると愛犬は「飼い主より自分の方が偉いのだ!」という考えになり、わがまま放題な性格になっていくという危険があるのです。さらに、愛犬が飼い主の前を歩いているということは先に交差点などに進入するということです。そこには人、他の犬、自動車などが急に通る可能性もありますね。どうなるか容易に想像できると思います。命の危険もありうるわけです。

愛犬におとなしく歩いてもらうことは、その子が飼い主に従ってくれるということのみならず、命を守ることにもつながるということなのです。しっかりトレーニングをして引っ張り癖を改善していきましょう。

 

正しく歩き方を習得しよう

どのような歩き方ができれば理想的なのでしょうか。それは、リードが引っ張られることなく、飼い主の横(もしくは少しだけ後ろ)を落ち着いて歩くことです。そのような歩き方を「脚側(きゃくそく)行進(こうしん)」と言います。飼い主(リードを持った指導主)と歩幅を合わせ、呼吸を合わせ歩くのです。

完璧な脚側行進になると、例えリードをしていない状態でも離れず、遅れず、飼い主(指導主)の方向を見て意気揚々と歩きます。それは、まさに人犬一体となっているかのようです。できれば家庭犬たちも、もしリードが外れてしまっても離れない程度にはしておきたいですね。不慮の事故防止になることでしょう。

では、どのようにトレーニングすれば習得できるのでしょうか。

まず大切なのは、愛犬にとって散歩というもののイメージを変えてあげることからです。犬は本能的に狩猟をするかのように獲物を追ってみたり、危険をいち早く見つけようとしてみたり、脅威から逃げるなどの行動をしてしまうものです。基本的に飼い主を無視してドンドンと前に行きます。散歩は本能の発揮場ではないことを教えていきましょう。犬の散歩は飼い主の散歩に付き添うというイメージなのです。

 

  • 一緒に歩幅を合わせ歩くことの意味、喜びを教えていきましょう

まずは、慣れたスペースを確保して練習していくことがおすすめです。慣れた場所であれば周りにあまり影響されず、集中しやすいからです。そして、モチベーター(おやつやおもちゃなどのご褒美)を用いましょう。

「飼い主について歩けば楽しいことがあるぞ」と思わせるところからが始まりなのです。名前を呼ぶなど声をかけながら、ついて歩けているときにはしっかりほめてあげましょう。

 

  • 命令語(コマンド)を上手に使いましょう

常に飼い主を意識して歩かせるために命令(コマンド)を出して歩きましょう。「ついて歩く」「おすわり」「待ちなさい」などを意味するコマンドを歩いている途中に出していきましょう。ちゃんと従うことができればほめることを忘れずに!落ち着いて歩くことができるようになるでしょう。

 

  • リードに従って歩くことを覚えさせる

散歩中はリードにしっかり従うことです。リードは命綱です。逃走防止や道路に飛び出さないようにするために、散歩中は決してリードを放すことなどないようにしてください。そして、リードを使いトレーニングをしていきましょう。

「リーダーウォーク」というトレーニングをしていくことになります。これにつてはまたどこかで詳しく説明しましょう。リードの使い方しだいで引っ張りながら歩いてはいけないことやリードに従うことを理解させることができます。根気強くトレーニングしていきましょう。

 

 

ぜひ正しい歩き方をマスターしてお散歩をより楽しいものとしていただきたいと思います。何よりも飼い主自身が楽しむことです。それが何より愛犬たちの喜びなのです。

また、家族だけでの解決が難しいということであればプロの手を借りることも大切です。飼い主の皆さまと愛犬の幸せのため、サポートしていくことが我々プロのトレーナーの役割だと思っています。

みなさまがご自分の愛犬を良きパートナーとして、育てていってくれることを期待しています。

しつけに関するお問い合わせ

「しつけの予約をしたいのですが・・・」
「ちょっと質問したいことがあって・・・」

そんな時には、お気軽にお問い合わせください!

ノエルペットクリニック電話番号
086-250-2252

ノエルペットクリニックFAX番号
086-250-2269

しつけ相談の詳細はこちら

 

メールフォームからのお問い合わせはこちら ↓

メールフォームから連絡する