(獣医師が教える、本当に選ぶべきキャットフードのポイント)
前回の記事では、
「猫は本来“完全肉食動物”であり、動物性タンパク質が欠かせない」
という食性の話を中心にお伝えしました。
では実際に、市販のキャットフードのパッケージを見たとき、
何を基準に“良いフード”かどうかを判断すればよいのでしょうか?
今回は、あなたの愛猫の健康を守るうえで最も重要な要素ともいえる
「動物性タンパク質の品質」をラベルから見抜く方法
を解説していきます。
1. フレッシュミートとミールの違い
キャットフードの原材料欄には、よく以下のような表記があります。
- チキン(生肉)/フレッシュチキン
- チキンミール/ミートミール/肉類(ミール)
この違いを理解することが、フード選びの最重要ポイントです。
◎ フレッシュミート(生肉)
- 新鮮な肉そのもの
- 栄養価が高い
- 消化性が良い
- 旨味が豊富で嗜好性が高い
メリット:品質が安定しやすく、猫の体が最も利用しやすいタンパク源
◎ ミール(肉粉)
肉を高温で圧力処理して脂肪・水分を抜き、粉状にしたもの。
良質なミールと粗悪なミールが混在しているのが問題点。
良質なミール
- “○○ミール(チキンミール・ターキーミールなど)”と単一原材料が明記
- ヒューマングレードに近い品質のものも存在
粗悪なミール
- 「肉類(ミール)」のように曖昧で、何の肉かわからない
- と畜副産物のみで構成されることもある
- 品質のブレが大きく、安全性が低い場合も
2. 良質な動物性タンパク質を見抜くラベルの読み方
ポイントは “最初の 3〜5 番目の原材料” です。
ここに何が入っているかで、フードの本質が分かります。
■ 良質なフードの特徴
以下のような表記が並んでいる:
- チキン(生肉)
- ターキー(生肉)
- サーモン(生肉)
- チキンミール(単一種)
- ターキーミール(単一種)
→ 動物性原材料が明確で、部位や種類が特定されているものは高品質。
■ 避けたい表記・注意すべき表記
- 肉類(ミール)
- 家禽ミール
- 動物性油脂(種類が不明)
- 副産物粉
これらは、
「何の肉か特定できない=品質の幅が大きい」
というリスクがあるため、避けた方が安心です。
3. 「肉類(ミール)」という表記の危険性
ラベルの中でも注意すべき最大のポイントがこれ:
“肉類(ミール)”
一見「肉を使ってるんだな」と思われがちですが、実はとても曖昧な表現です。
● なぜ危険なのか?
- 複数の動物が混ざっている可能性
- 原料の質がロットで大きく変わる
- どの動物を使っているか、メーカーが説明できないこともある
- 食物アレルギー対策としても不向き
つまり、
原料を特定できない=品質管理がしにくい
という課題につながります。
4. 高品質キャットフードの共通点
良いフードには、次のような共通点があります。
✔ 共通点① :動物性タンパク質が主原料
最初の5つ中、最低3つは動物性原材料であること。
✔ 共通点② :原材料名が具体的
「チキン」「ターキー」「サーモン」「鹿肉」など
単一の動物名が明記されている
✔ 共通点③ :不必要な炭水化物が少ない
猫は完全肉食動物なので、
とうもろこし・小麦・米などが主原料のフードは不向き。
✔ 共通点④:添加物に頼らず、自然な旨味を重視
肉そのものの香りと旨味で嗜好性を高めている。
✔ 共通点⑤:信頼できる製造者
- 原材料のトレーサビリティ
- 第三者機関の検査
- 加工工程の明確化
これらが開示されているブランドは安心できます。
まとめ|ラベルを正しく読めば「ほとんどの問題」は避けられる
今回のポイントは以下の通り:
- フレッシュミートは最も栄養価が高く消化が良い
- ミールにも良いもの・悪いものがある
- “肉類(ミール)”のような曖昧表記は避けるべき
- 原材料トップ5でフードの品質はほぼ決まる
- 高品質フードは動物性タンパク質が明確&豊富
愛猫の健康は、毎日の食事で大きく変わります。
ぜひ今日から、ラベルの“最初の5つ”を意識してみてください。
👉 次回予告|
愛猫にとって最適なキャットフードとは?③|市販フードで本当に気をつけるべきポイント
次回は、飼い主さんからよく質問される
- 植物性タンパク質はなぜダメなのか
- 添加物のメリット・デメリット
- グレインフリーの落とし穴
- 安いフードが健康に与える影響
- 獣医師が必ずチェックしている “3つの基準”
について、さらに深く解説していきます。
臨床獣医師として
“本当に安心しておすすめできるフードだけ”を厳選しました。
(アカナ・オリジンを中心に、全年齢対応・低GI・高タンパクのフードを厳選しています)
筆者プロフィール
筆者:亀森 直(かめもり なお)
獣医学博士。臨床獣医師として22年、動物病院の院長として16年の経験を持つ。
犬猫の栄養学・消化生理・腸内環境の研究を専門にし、病気予防を目的とした食事指導を多数行う。
岡山県にて「動物病院・トリミング・ペットホテル・保護猫カフェ」を複合的に運営。
自身の長年の臨床経験と科学的根拠に基づき、“本当に良いフードとは何か”を一般の飼い主にわかりやすく発信している。
