今回からは「キャットフード編」に入り、
その第1回として “猫本来の食性” をテーマにお話しします。
🐈⬛ 1|猫はどう進化してきたのか?
=「完全肉食動物」
犬は雑食寄りへ進化してきましたが、
猫は進化の根本から“完全な肉食動物”です。
猫は自然界で
- 小型哺乳類(ネズミ・ウサギ)
- 鳥類
- 昆虫
など 動物性の食べ物を捕食して生きてきた種 です。
この食性は、身体の構造にもはっきり現れています。
🧬 2|猫の身体が示す「完全肉食」の証拠
✔ 短い腸
動物性タンパク・脂質を効率よく消化する構造。
炭水化物(植物性食材)は時間がかかり、負担が大きい。
✔ 唾液にアミラーゼがない
炭水化物(でんぷん)を分解する酵素が“ほぼ皆無”。
これだけでも 植物由来の炭水化物は本来得意ではない ことがわかります。
✔ アルギニンやタウリンなど“必須アミノ酸が多い”
肉を前提とした食性だからこそ、
「肉に豊富に含まれる栄養素」が不可欠。
植物では満たせません。
✔ ビタミンA・ナイアシンなどを“肉から直接摂る生物”
植物から変換できないため、
これも完全肉食の特徴。
🍗 3|猫に必須の栄養素は“動物性タンパク質”
猫の身体は
- 筋肉
- 内臓
- 皮膚
- 被毛
- 免疫細胞
- ホルモン
これらを維持するために 大量のタンパク質 を必要とします。
必要量は犬より圧倒的に高く、
猫はタンパク質をエネルギー源にして生きる動物。
だからこそ…
▶ キャットフードの動物性比率が低い
= 猫の代謝に合わない
▶ 植物性タンパク・炭水化物が多い
= 消化できず、負担や不調の原因になる
🍚 4|猫は“炭水化物の代謝”が非常に苦手
猫の体は
「糖質を中心にエネルギーを作る仕組み」に進化していません。
✔ 糖質の代謝酵素が少ない
✔ インスリン反応が弱い
✔ 血糖コントロールが犬や人より苦手
そのため…
- 肥満
- 糖尿病
- 膵炎
- 下痢や軟便
- 涙やけ(排泄経路の問題)
- 毛艶の低下
などの原因になります。
🐈⬛ 5|では、猫にとって理想のキャットフードとは?
結論は明確です。
🔥【猫に最適なキャットフードの条件】
- 動物性原材料が主原料(最初の3〜5素材)
- 高タンパク(粗タンパク質 35%以上が理想)
- 炭水化物が低い(10〜20%前後)
- 具体的な肉名が明記されている
- 肉副産物ではなく、正確な動物性タンパク源
- グレインフリーまたは低穀物
= 猫の“本来の食性”に合ったフード
📌 6|「本来の食性」を理解すると“選ぶべきフード”が明確になる
多くの飼い主さんが
「どれを選べばいいかわからない…」
と迷うのは、
猫の食性が犬や人と同じだと思い込んでいるから。
ですが、
猫の身体が“肉を前提に進化してきた動物”だと理解した瞬間、
フード選びは一気にシンプルになります。
👉 次回予告|
愛猫にとって最適なキャットフードとは?②|ラベルで見抜く「良質な動物性タンパク質」
次回は、
- フレッシュミートとミールの違い
- 良質な動物性タンパク質の見抜き方
- 「肉類(ミール)」という注意すべき表記
- 高品質キャットフードの共通点
を、獣医師として深く解説していきます。
臨床獣医師として
“本当に安心しておすすめできるフードだけ”を厳選しました。
(アカナ・オリジンを中心に、全年齢対応・低GI・高タンパクのフードを厳選しています)
筆者プロフィール
筆者:亀森 直(かめもり なお)
獣医学博士。臨床獣医師として22年、動物病院の院長として16年の経験を持つ。
犬猫の栄養学・消化生理・腸内環境の研究を専門にし、病気予防を目的とした食事指導を多数行う。
岡山県にて「動物病院・トリミング・ペットホテル・保護猫カフェ」を複合的に運営。
自身の長年の臨床経験と科学的根拠に基づき、“本当に良いフードとは何か”を一般の飼い主にわかりやすく発信している。
