シリーズ第③回は 「犬のライフステージ(年齢)によって“最適な栄養バランスは変化する」 というテーマを深掘りしていきます。
「うちの子は今のフードで大丈夫?」
「同じ銘柄でも年齢によって本当に違いが必要?」
こうしたご相談を日々いただきます。
実際、ライフステージ別の栄養設計はかなり合理的で、科学的な根拠があります。
① 子犬(パピー)期のフード|“成長速度”に栄養設計を合わせるべき理由
子犬の体は、人間でいうと“数年分の成長”をわずか数ヶ月で駆け抜けるスピードで発育します。
✔ 子犬期に必要なポイント
- 高タンパク:成長と筋肉・臓器の発達のため
- 高脂肪:活動量が多く、代謝が速い
- 適切なカルシウム:骨格形成に必須(過剰でも不足でもNG)
- DHA・EPA:脳・神経の発達をサポート
- 高消化性の動物性タンパク質:胃腸が未熟なため
獣医師の注意点
大型犬は「骨の異常(発育性骨症)」を防ぐため、カルシウムとエネルギー量のバランスが特に重要です。
“子犬なら高エネルギーでOK”と単純に考えるのは危険です。
② 成犬(アダルト)期のフード|“過不足のコントロール”が健康寿命を大きく左右
アダルト期は、成長期と違い「いかに適正体重を維持するか」が最重要です。
✔ 成犬期に必要なポイント
- 高品質な動物性タンパク質
- 適正な脂肪(多すぎると肥満、少なすぎると皮膚トラブル)
- 炭水化物は“量より質”(精製炭水化物は避ける)
- 代謝性疾患を予防するための低GI原料
- 適切なミネラルバランス
よくある間違い
- 「シニアになる前だから安いフードでいい」
- 「運動しない犬だからタンパク質は少なくていい」
→ どちらも誤解です。
基礎代謝を支えるのはタンパク質であり、脂肪肝・筋力低下もタンパク質不足から起こります。
③ シニア期のフード|“タンパク質を減らす”は間違い
私が最も強調したいポイントです。
“シニア=タンパク質は減らすべき” という昔ながらの考えは、現代の栄養学では推奨されていません。
✔ シニア犬に必要なポイント
- むしろ高品質タンパク質は維持する
- 抗酸化成分(ポリフェノール、ビタミンE、オメガ3)
- 関節サポート成分(グルコサミン・コンドロイチン)
- 消化吸収しやすい動物性原料
- 腎臓ケアは「タンパク質を減らす」ではなく「リンの質と量」
シニアで太る理由は“タンパク質減少”
筋肉量が落ちる → 代謝が低下 → 太りやすくなる
これは「老化」ではなく「栄養設計の問題」です。
④ “全年齢対応(オールステージ)フード”はどうなの?
近年人気が高いのが、AAFCOオールステージ対応フード。
結論から言うと…
● 高品質なオールステージは“子犬〜老犬まで安全に使える”
→ 動物性タンパク質比率が高く、AAFCO基準を満たしているものは良い選択肢です。
ただし…
● 肥満傾向のある成犬には“全年齢対応でも脂肪量はチェック”
“子犬でもOK”な設計のため、脂肪がやや高めのことがあります。
⑤ 結局どう選べばいい?|ライフステージ別の“正解フード”まとめ
| ライフステージ | 最重要ポイント | 避けたいもの |
|---|---|---|
| パピー | 高タンパク・高脂肪・適正カルシウム | 低品質タンパク/穀物過多 |
| 成犬 | 高品質動物性タンパク・適正脂肪 | 高GI炭水化物(小麦・米粉など) |
| シニア | 高品質タンパク維持・抗酸化成分 | タンパク質減量フード |
⑥ 最適な選択肢は?|獣医師として推奨できるフードの共通点
私が臨床で推奨してきたフードに共通しているのは
✔ 動物性タンパク質が主原料(肉・魚が最初の3原料)
✔ 過剰な穀物・精製炭水化物を使用しない
✔ 添加物を必要最低限に抑えている
✔ ミールではなく“生肉または新鮮肉”比率が高い
✔ AAFCO基準・原材料の透明性がある
次回「④」では…
なぜあまり必要ない炭水化物がフードの原材料として多く使われるのか?を解説します。
ぜひおうちのフードの原材料をチェックしてみてください。原材料の見方についても解説していく予定です。
📌 このブログで紹介した栄養設計を満たす高品質フードはこちら
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