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飛びつき癖(間違った愛情表現)

タグファーツ 長尾先生のコラム

飛びつき癖(間違った愛情表現)

 

しっぽをブンブンと振って「大好きだよ!」と言わんばかりに飼い主を見つめる愛犬。とっても微笑ましい光景ですね。犬とコミュニケーションをとっていると様々な愛情表現をしてくれることに気付きます。みなさまの愛犬はどんな愛情表現を見せてくれますか?

犬は飼い主からの愛情を欲する生き物です。何とかして振り向かせようとアピールをしてくれます。それは愛犬とコミュニケーションを取る上でとても大切なことと言えるでしょう。愛犬から良いアピールを引き出し、上手にコミュニケーションを取りましょう。

しかし、時に間違った愛情表現をしてしまっていることにお気付きでしょうか。愛犬自身が「飼い主さんも喜んでくれるはずだ!」と思い必死にやっていることが結果的に周りの迷惑になってしまっているのです。このことは飼い主と愛犬、双方に不幸なことではないでしょうか。そんな状況に陥ってしまうこと、実は多いのです。油断していると取り返しのつかない事態になりかねないということを知っておいていただきたいと思います。

 

では、間違った愛情表現とはどんなものが考えられるでしょうか。例えば、ことさら飼い主を困らせる行動として「吠える」「咬む」という行動を使ってのアピールがあります。飼い主としては吠えたり、咬みついたりされるのは嫌なものですね。しかし、当の愛犬自身は飼い主に愛情を伝えたくてやっているかもしれないのです。「やめなさい!」と言えば言うほど激しくなったり、その場ではおとなしくなってもまた何度もくり返されたり、そんな経験はないでしょうか。こうなってはお互いにストレスとなり、快適なドッグライフとは言えなくなってしまいますね。

そして、今回特に注目したいのが「飛びつき癖」です。飼い主に対して勢いよく飛び上がってアタック!ピョンピョンと飛び跳ねる姿は非常に愛くるしいものがあります。これも飼い主の喜ぶ顔が見たいという愛情表現からくる行動と言えます。しかし、要注意!特に中型以上、体格の大きな犬の場合、その飛びつきのパワーたるや凄まじいものがあります。簡単に押し倒されることは間違はいないでしょう。怪我や事故の原因にもなりかねません。さらに、飼い主だけでなく他の、特にお年寄りや小さなお子さまなどに勢いよく飛びついたとしたら大変な事態です。もちろん小型犬も例外ではありません。愛犬自身の怪我なども懸念されます。このように、はたから見ればかわいらしい愛情表現も、見方を変えると危険がはらんでいるということに飼い主は気付かなければなりません。

 

では、どのようにすれば愛犬自身にその愛情表現が間違っていることに気付かせることができるでしょうか。まず知るべきは、なぜその行動をするようになったのかということです。飛びつきに関して1つ原因として挙げられるものがあります。それは、お顔を舐めるという行為です。みなさん「愛犬とチュウ」と称してお顔をなめせたりしていませんか?もちろんこれも愛犬にとっては本能的な愛情表現の1つ、それを受け入れてあげたくなるのも飼い主の心情というものでしょう。しかし、そうすることで愛犬は「飼い主さんはこうすれば喜ぶんだ!」と感じ、飛びついてでも舐めようとしてしまうのです。結果的に飛びつき癖を助長させてしまうのであれば考えものです。

(危険な行動を助長させない範囲であれば、かまわないと個人的には思っています。しかし、お口を舐めるという行¥為は衛生的にもよろしくないとされます。犬から人への感染症などにも注意が必要です。)

このことから、間違った愛情表現は飼い主が喜んだり、しかたなく受け入れてしまうといったことで悪化し、癖になっていくということが分かる訳です。ということは、「飼い主さんはこの行為をしてもうれしくないんだ…。」と思わせることができれば解決の糸口が見えてきそうですね。つまり、間違った愛情表現の原因や理由を知り、そのアピールでは通用しないということを理解させることが大切なトレーニングのポイントとなるのです。無視することやあえて不機嫌な表情を見せることなどが手段の1つとして考えられます。その場からいなくなって一人ぼっちにしてしまうくらいの行動を見せてあげても構いません。相手にされないことや嫌がられているということが正しく伝われば、他のアピール方法を考えるきっかけになるはずです。心苦しいかもしれませんが、愛犬の将来を考えればこそ心を鬼にする時も必要なのです。

 

愛犬と信頼関係を築き、正しくコミュニケーションをとることができていれば飼い主の望むより良いアピールを見せてくれるはずです。その時がお互いのドッグライフをより豊かにするチャンスが訪れた瞬間と言えるでしょう。その瞬間を目指し、日々トレーニングに励みましょう!

我々ドッグトレーナーもみなさまのお力になるべく、日々尽力しております。みなさまが愛犬を良きパートナーとして育てていってくれることを期待しています。

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