タグファーツ 長尾先生のコラム
テーマ:愛犬とストレス
昨今、「ストレス」という言葉に敏感になっている日本社会、ストレスがもたらす悪影響はみなさまも良く知るところではないでしょうか。そして、ストレスとは何も人のみが感じるものではありません。言うなれば、ストレスを感じない生き物はいないと言っても過言ではないでしょう。もちろん、みなさまの愛犬にも…。
ではその「ストレス」、犬にとってはどのようなものなのでしょうか。しつけ、トレーニングの観点から見ていきましょう。
まずはストレスの原因から考えてみましょう。愛犬にとって何がストレスの原因かを知っておくと対処しやすくなるでしょう。愛犬の性格によって異なってくる部分もありますが、それぞれの愛犬にとって苦手としている状況に陥ることが非常にストレスに関わってくるようです。
愛犬の苦手なこと、ちゃんと知っていますか?
例えば、
・音
・他人
・他犬
・お散歩
・留守番
・お手入れ
などなど。他にも様々あるのではないでしょうか。しっかり愛犬の性格を把握して、苦手を知っておきましょう。
では、愛犬たちは強いストレスを感じるといったいどうなってしまうのでしょうか?
・問題行動の悪化
実は、ストレスと問題行動には密接な関係性があるのです。イライラ、ソワソワは吠えを助長させたり、不満を爆発させるがごとく怒り、咬みつく場合もあります。トイレの失敗が増える、わざと失敗するという事例もあったりします。
・過激な行動に発展
ストレスも進行してくると異常とも取れる行動を示すことがあります。1日中吠え続けることや、破壊衝動(ものに当たり壊す)、さらには自傷行動(自分を自ら傷つける)にまで発展することもあります。
・ストレス過多による体調への悪影響
ストレスが健康に被害をおよぼします。気を付けないと取り返しのつかない状況に陥ることも…。
などなど、この影響を考えるとストレスを抱えないようにしてあげることは健やかなドッグライフを送る上でとても重要な要素になってくるということが分かります。
では、どうすればストレスを抱えないようにしてあげられるのでしょうか。ここからは対処法について学んでいきましょう。対処法を分かりやすくまとめるとすれば「ストレス解消とストレス耐性」この2つでしょう。
ストレス解消について
ストレスが溜まってきたら、解消すれば良いのです。「言うは易し」愛犬のためのストレス解消しっかりできていますか?ぜひ、愛犬と一緒にリフレッシュの仕方を考えていただきたいところです。
・お散歩に出かける
・一緒に遊ぶ
・マッサージによるリラックス」
様々やってあげることができますが、大事な要素は愛犬に合ったリフレッシュ方法を見定めることです。良かれと思ってやってあげていたことが、実は逆効果になってしまうということもあるのです。一方的なものではなく、お互いに理解し合うことを目指してより良いストレス解消につなげましょう。
ストレスに対して耐性をつける
愛犬のストレスとなる要因を見つけ、それに対して慣れてもらおう!ということです。将来的に必要になるであろうストレス耐性は、つけておくに越したことはないでしょう。ストレス慣れのポイントとしては、まずストレスの要因を見定めることです。そして、耐性を得るためには焦りは禁物ということを忘れないようにしましょう。初めから大きなストレスを与え続けても慣れはしません。余計にストレスをためてしまうことになりかねません。焦らず、少しずつ慣らしていくことです。
例えば、音に対して慣らすためには小さな音から聞かせていき、慣れてきたら少しだけ音量を上げてまた慣らしていく、という具合に根気強く取り組んでいくことが大切なポイントというわけです。愛犬も飼い主もお互いにストレスの少ない暮らしを目指して、ストレス解消そしてストレス耐性を付けるトレーニングに励みましょう。
最後に知っていただきたいこととして、犬は言葉をしゃべれません。ストレスを抱えていてもそれを言葉では表現できないのです。しかし、愛犬は飼い主に対して何かしらのサインを送っています。そのサインをくみ取ってあげられるのは飼い主だけなのです。決して見逃がすことの無いように、普段からしっかり愛犬の事を見ていてあげてください。そうすれば、愛犬はちゃんと見ていてくれる飼い主に信頼感を寄せ、よりお互いに理解し合える関係へと成長していくことでしょう。
道のりは、簡単ではないかもしれません。試行錯誤しながら根気強くトライしていくことが愛犬とそのご家族とのより豊かなドッグライフに導いてくれるでしょう。
我々ドッグトレーナーもお力になれることがあろうかと思います。愛犬を良きパートナーとすべく、ともに成長をしていきましょう。